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Ⓒ Mai Ishida
In a Car Washing Machine
Production Period:2017/2020
頭の中でひとり言をつぶやくのが好きだ。
浮かれたり悩んだり。感受性をフル稼働できる毎日は幸せだ。
もの思う自分と別れたくない。いつまでも頭の中でひとり言をつぶやいていたい。
でもそうは問屋が卸さない。どうも私も漏れなく死ぬらしい。
そうなると、今までの私のひとり言たちはそもそも存在しなかったものへと変幻するかの如く揮発するだろう。
亡くなった親族や友人はみな、ある日突然亡くなった。
当たり前に過ごす時間を急に無にはしたくない。どうせ死ぬのならば、心の準備はしたい。
ある日入った洗車機。
結界のように感じ、自分がオートメーションに乗って焼かれ死ぬ姿を想像した。
死ぬ直前の視界は唐突なものなのだろうか。焼かれる最中の棺桶の中での所感をリポートすることはできないのか。
洗車機の中は暗闇ではなかった。
光が差し込んだ。
洗車機は、作業が終わると、前を進むよう私の背中を押した。
2020 『In a Car Washing Machine』
ナダール 南青山 (大判プリント支援:キヤノン株式会社)
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