私は、小泉今日子さんのファンです。
アイドル時代はさほど関心はありませんでした。
ここ10年くらいでしょうか。小泉さんのエッセイの素直な文章に惹かれるようになりました。
(だから、私にとっての小泉さんは文筆家です)
もうひとつ小泉さんに惹かれる理由は、高校を中退していること。
「私は高校をすぐにやめてしまって、歌手活動を始めたんですが、後悔したのは勉強をちゃんとしなかったこと。後々、苦労するんです」と仰せです。
芸能界という過酷な世界で長年ご活躍ですから、普通の人ができない勉強をたくさんしていらっしゃるかと思います。
それでもそんなコメントを仰る気持ちが、なんとなくわかります。
なぜなら、私自身も高校を中退しているから。
中退しアルバイターをしていたのですが、嫌いだった勉強が恋しくなりました。
ただそう思った時にはもう18歳も近かったので、焦って大検と大学受験の勉強をして、滑り込むように大学に入学しました。
そんな受験勉強ですから、受験テクニックを覚えるのが精一杯で、勉強の意味や味わいを噛みしめること全くありませんでした。
おかげで、大学に入ると、勉強の基礎がないから、先生方が何を言っているのかさっぱりわからず。。
友人達に試験攻略のヒントを貰いながら、単位ギリギリで卒業しました。
40歳になって、芸術大学の通信教育部写真コースに入学したのは、無知の溝を埋めたいと思ったからでした。
写真を撮ることは好きです。写真に関する勉強はとにかく楽しかったです。
でも、写真やアートの勉強だけをしていても、作品作りのヒントを得にくいと感じ始めました。
また、一般教養の科目に触れても、そもそもの仕組みがわからない。。と頭を抱えたこともありました。
そこで最近、高校教育の内容を自学するようになりました。
思いがけず、物理や地学化学、数学が楽しいです。
世界は偶発的に生まれたかもしれないけれど、節理とミックスされて出来た、文理一体の空間だと感じようになりました。
受験や卒業など、社会性が絡む環境にいた頃に解けなかった理数問題。
この歳になって、やっと素直に勉強が楽しいと思えます。
生きている間に、人間ってものをもっと知りたい。